「亡き王女のためのパヴァーヌ」とコバルト文庫

「tearoom  Rose」にお越し下さり

有難うございます。

本日は思い出語りにもなりそうですが

最後までお付き合いくださると嬉しいです。

よろしくお願い致します。


以前、「疲れ切った時に聴きたい曲」として

グスタフ・マーラー作曲の

交響曲第5番第4楽章「adagietto」について

書いたことがありました。
        



今日はそれも含め、私的なBEST 3 の中の1曲

フランスの作曲家

モーリス・ラヴェルの

「亡き王女のためのパヴァーヌ」についての

お話です。


早速ですが、「亡き王女のためのパヴァーヌ」

ピアノVer.    




辻井伸行さんの演奏です。 



この曲大好きな方、沢山いらっしゃいますよね。



さて、いきなりですが


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見るからに古そうな本ですが

それもそのはず。

第1版発行が昭和57年‼️

定価260円 w(゚o゚)w

じんわり確実に物価って上がってるんだなあ、と

再認識いたしました。

集英社のコバルトシリーズといえば

当時でいうところの少女向け小説シリーズです。

実は、私、この本がきっかけで

「亡き王女のためのパヴァーヌ」を

知ることができました。

子供の頃から、結構読書好きで

大切なお小遣いで、本を買っていました。

じゃあ、この小説と「亡き〜」とどういう関係が?

と思われますよね。

もちろん、内容と関係あるんです。



内容を簡単に説明させて頂くと・・・



舞台はイギリス。

主人公のウィローは16歳。

両親に愛されて育ったものの、

両親にはない音楽の才能を持ったウィローは

その才能のおかげで音楽専門学校でも

奨学金をもらいながら努力し、成績も優秀。

コンサートピアニストの夢も現実的に見えて

きたところ。

先生から新しい課題曲ラヴェルの

「亡き王女のためのパヴァーヌ」に

取り組むも、なかなか掴めず悩んでいます。

そんな時、彼女の才能を妬んだ同級生が

偶然知った彼女の秘密を本人に告げるのです。

「あなた、もらいっ子でしょ?」と。

少女小説にありそうですよね〜

とても愛してくれ、大切に想ってくれているけれど

音楽には理解のない両親。その理由がわかった

気もするし、ますます音楽の道に進みたいとは

いえなくなったヒロイン。

ショックとスランプで体調を崩し、

母親や先生の勧めで休養を余儀なくされます。


休養先はコーンウォールの小さな古い城館。

そこでウィローは1枚の古い肖像画に出逢います。

数奇な運命の悪戯で、敵国イギリス人の

養女になったスペイン王女の肖像でした。

その日から、黒い瞳の憧れと寂しさを

漂わせた王女が、夜毎不思議な夢の世界へ

ウィローを誘う・・・

という内容。



夢の世界で起こった証拠が、ヒロインの住む

場所で見つかっていくなど、夢と現実がシンクロ

していく展開にはとても引き込まれ

少女小説にはおさまらない魅力を持った面白さ。

でも、今では廃刊なんです。残念。

で、話を戻しますと、本の中で

「亡き王女〜」をこのように表現していました。

「16、17世紀にもてはやされた舞踏曲の、

優しい郷愁を誘うような美しさ」

「忘れられた昔の人形のように、

華麗な衣装に身を飾ったスペイン宮廷の

紳士、淑女たちがこの曲にのって、ゆっくりと

滑るように踊っている様子が目に

浮かんでくるようだった」と。


そんなに素敵な曲なら、ぜひ聴きたい❣️

当時、学生で吹奏楽部だった私は

担当で音楽の先生に「聴かせてください」と

お願いしたことをよく覚えています。

とても親切な女性の先生で、

私のために、わざわざ録音して

くださいました +゚。*(*´∀`*)*。゚+

今でも感謝しています。

そしてその日から、この曲は私の⭐️宝物⭐️

と言えるくらい大好きな1曲になりました。


ところで、本の表紙の絵の王女様

なんだか似た絵を思い出しませんか?




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そう、スペイン宮廷画家ディエゴ・ベラスケス

「青いドレスのマルガリータ王女」

王女マルガリータはスペイン・ハプスブルク家

フェリペ4世の娘で、 後にウィーン・ハプスブルク家の

レオポルド1世の后となりました。

 この肖像画は、王女が8歳のときにウィーン・

ハプスブルク家への贈り物として、 宮廷画家

ベラスケスによって描かれた絵画です。

ベラスケスは王女マルガリータの肖像画を

いくつか残していますが、この作品はなくなる

1年前に制作されたそうです。


が、しかし。

諸説あるものの、実際にラヴェルが

ルーヴル美術館で見て、作曲の

インスピレーションを得た!と

言われる絵はこちらのようです。



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王女2歳ごろと言われています。

とてもロマンティックな逸話なのですが

そもそもこの曲は、歴史上の特定の王女に捧げて

作られたものではなく、スペインにおける

風習や情緒に対するノスタルジアを表現

しているとのこと。

まあ、どちらが本当でも、

優しく穏やかで、哀愁の漂う、

美しい曲であることには変わりません。


さて、直接は関係ないのですが。


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こちらの絵、バックが青色で

胸には美しいパールのネックレスと共に

装飾の凝ったコイン型のペンダントを

しています。

彼女はトスカーナ大公コジモ一世の長女。

コジモ1世が正妻エレオノーラ・ディ・トレドと

結婚する前に、フィレンツェの貴婦人との間に

生まれた子といわれています。

異母兄弟とともに宮廷で大切に育てられましたが、

1542年1月にわずか5歳もしくは6歳で亡くなりました。

首から下げた大ぶりのチェーンの先には父コジモ一世の

横顔が彫られたメダルで、婚外子であってもメディチ家の

一員として認められていたことを示しているとか。


そう思うと本の表紙にもあるように当時、コインの

ペンダントには特別な意味や役割があったのでしょうか。

謎です。


さて、ラヴェル自身はこの曲に対して「大胆さに欠ける」

など批判的な意見を述べていたようですが、

晩年、自身が重度の「ウェルニッケ失語症」に

陥った状態でこの曲を聴いた際、

「美しい曲だね。これは誰の曲だい?」

と尋ねた、という逸話が残っています。

結局ラヴェル自身、お気に入りの

曲だったって事ですよね (^∇^)


さて、長文になってしまいました。

最後に、オーケストラバージョンを。

作曲だけでなく、編曲の才能もあったラヴェル。

それゆえ「オーケストラの魔術師」と

呼ばれていました。

オーケストラ演奏も美しい。

     



(ミュンシュ指揮 パリ管弦楽団演奏)


本日も最後までお付き合いくださり

有難うございました。

どうぞこれからも

よろしくお願い致します。

(*^_^*)

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