このところ、定期的に増えすぎた本を整理しています。
独身の頃、仕事などの悩みもあってか
マナー本や「生き方」についてのエッセイや
所謂HOW TO本をよく読んでいました。
そんな頃に出会った一冊。
「美人のお作法」のお話です。
よろしければ、お付き合いください
(*^_^*)
著者の友常崇仁(ともつねたかひと)氏は
聖徳太子以来の精神と作法を守る
大和古流の21世当主。
代々受け継がれてきた家伝の礼法に始まり、
香道・茶の湯・やまと歌・生花・書などなど
文武両道・日本文化全てを修める知識人。
更に、エジプト・フランスにおいては国賓として
日本文化を伝えることもあるという関係で、
ヨーロッパをはじめとしたマナー・知識も
お持ちなのだそう。
この本は、京都を中心とした和・洋のマナーもさることながら
現代を生きる女性に向けて、厳しくも愛情あふれる言葉で
美しい仕草・マナー・生き方が書かれています。
特に、私が印象に残っているのは
「傘袋を使いたい」という章。
独身時代に読んだ本ですが、恥ずかしながら
初めて「傘かしげ」と言う言葉を知りました。
引用させていただくと・・・
「京都の先斗(ぽんと)町あたりを歩くと、
昔の日本の道幅がとても狭かったということが
わかります。こんな道で、雨の降る日に人と
すれ違うときに生まれた素晴らしい作法が
『傘かしげ』です。
お互いの傘を外側に斜めにし、傘がぶつからないように
する仕草を『傘かしげ』というのです。
このゆずりあいの気持ちが、日本人の根底にある
他人への心配りです。」
初めてこの章を読んだとき、
「なんて素敵な言葉なんだろう」の気持ちとともに、
「なるほど‼️」と思いました。
なんとなく、阿吽の呼吸でお互いを気遣い合う。
そして相手の気遣いに対して、さりげない微笑みと
会釈で感謝の気持ちを伝え合う。
たとえそれが一期一会の相手だとしても
とても心地よい印象が残ります。
著者はこの章で、傘袋の意味を書いておられます。
「そもそも傘袋は、雨の日に混んだ電車の中などで
びしょびしょに濡れた傘を周りの人に迷惑に
ならないようにするための袋。
でも最近ではほとんど目にすることがなくなったのは
人の迷惑を考える余裕がなくなったのではないか」と。
「オシャレに着飾った女性が、雨の日のホテルで
ビニール袋の中に入れた傘を持ってお澄ましして
歩いていても絵にはなりません」とも・・・。
私がこの著者が好きなのは、結構辛辣で厳しい
ご指南をなさっているところ。
胸がスーッとするんですよね😉
つい最近もテレビで実際に見たのですが
若い女性タレントが使っていた
「鳥肌が立ちましたー」というセリフ。
勿論怖い思いをしたという正しい意味ではなく、
感動したとの意味で使っていました。
以下、著書の「鳥肌をたてないで」の章の引用です。
テレビ局での収録で、著者が女性アナウンサーに
「鳥肌が立ちました」と言われた著者。
「『なんて失礼な人だろう』と思ったのですが、
話の具合をよく聞いていると、どうも感動した、と
いう意味で使っているようなのです。
(中略)
言葉は時代で変化し、意味も少しづつ変わってくるもの。
誤用も長く、広く使われているうちに常用になる、と
学者も言っています。ですから言葉の新しい意味に
対してなんでもかんでも意見をするわけではありませんが、
まるで反対の意味となると問題です。
『鳥肌が立つ』のは、鳥を食用にするために首をひねって
羽をむしり取るときに現れる状態です。このことを
知っていれば、『鳥肌が立つ』をいい意味に使おうとは
思わないはずです。
それほど恐ろしい目に遭ったというときに使うのが、
この言葉ですが、それを知らないから使えるのです。
鳥肌が立つ状況を知って尚且つ、
「あなたに会って鳥肌が立ちました」と言われて
いい気がするでしょうか。
こんな意味を感動したという表現に使うのは、
教養も足りず、感覚も鈍い人ですから、
どうか気をつけてください」
とのこと。
うーん、厳しい。
でも、これだけはっきりキッパリと
言い切っていただけるといっそ
気持ちがよく、頼もしいです。
最後に、著者はマナーについてこうおっしゃっています。
「上流の手の重ね方」の章で
「日本にはさまざまな作法がありますが、
手の重ね方にまで決まりがあります。そして
その色々なやかましい作法にも、きちんと
伝統的な意味があるのです。(中略)
元々は武家から出た作法で、腰の左に刺した
日本刀を右手で抜くことから、
左手で右手を押さえて、相手に敵対意思がないことを
表しているのです。武家の女性もこれに倣って、
左手で右手を押さえて組んでいました。
やがて、それが広まり、正式な手の重ね方と
なったのです」と。
そして、章の最後に、
「作法というのは、それを知っているか
知らないかで、こっそり
仲間外れにするシステムでもあります。
例えば、お友達と写真を撮るときに、皆さんで
正式な作法である左手を右手の上に重ねて撮影するのは
どうでしょうか」と。
怖い!!でも、さもありなん!!と
感じた私でした。
著者が撮影された美しい写真とともに、
著者の子気味良い語り口がクセになる
学び多いマナー本です。
機会がございましたら、お手に取って
いただけると嬉しいです。
主人のお土産。
「飛騨のどぶ」(どぶろく)
主人と美味しくいただいたのですが
アルコール度数17%‼️
結構強いですが、まったりとして
美味しかったです❣️
本日も、最後までお付き合いくださり
ありがとうございまいた
(^∇^)
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