竹内志麻子「夢みるうさぎとポリスボーイ」
昔懐かしい、女の子向け小説で
集英社のコバルトシリーズ。
一定年齢以上の女性で、本好きの方なら
一度は読んだことがあるのではないかなと。
今日は個人的な、昔懐かし話になりそうですが
お付き合いいただけると嬉しいです。
こちらは、昭和61年11月初版で定価310円‼️
今でも私の宝物になっている、大の
お気に入り小説のお話です。
こちらは、竹内志麻子さん著作の
「夢みるうさぎとポリスボーイ」。
少女向け小説とはいえ、その雰囲気がとても魅力的で
今でも捨てることなく大切にしています。
ちょっと不良の高校1年生の主人公が、
恋人と別れた後、警察官の爽やか青年と
出会い恋をしていくという内容。
よくある感じですが、高校3年間の
夏だけを切り取ってお話の
舞台にした小説なんです。
その設定も面白いけれど、
まるでクーラーの効き過ぎて肌寒い車内から
灼熱の車外を見ているような
自分だけが別世界に隔離されているような
不思議な感覚にさせてくれる小説なんです。
今では、中古本でしか入手ができないのですが。
さて、この竹内志麻子という名前、
誰かに似ていると思いませんか?
本好きの方はもうお分かりですよね。
そう、今ではジャパニーズホラー小説をよく
書かれている、岩井志麻子さんのデビュー作です。
自由奔放で、性にもオープンな熟女の
イメージもある方ですが、
こんな爽やかな小説を書かれていたんだなあ、と
感慨深いものがあります。
特に、そのお人柄と才能を感じたのが後書き。
こんなふうに始まります。
ある日、森の中を歩いていた機動隊員は
持っていたジェラルミンの楯を
湖に落としてしまいました。
ああ、しまった、と湖の中を覗き込む
彼の前に浮かびあがってきたのは
金の楯と銀の楯とジェラルミンの盾を
持った妖精でした・・・
どこかで聞いたことのある流れですが、
機動隊員⁉️
って思いましたよ(。>ω<。)ノ
才能のある方は、処女作から魅力的。
後書きでさえ、人を惹きつける力が
あるというか面白いんですね。
岩下さんは、初めての処女作が出版されると
電話で連絡を受けた時、こう思ったそうです。
「怖い怖い怖いーっ!」と絶叫したいんです。
ついに、夢がかなった・・・・・・
んじゃなくて、ついに、現実と
対決しなければならなくなったんですから。
その電話のベルが鳴るまでは、
どんな過剰な夢だって見れたんです。
でも。
もう、これからは現実しか
見れないんですよね・・・たぶん。
ただ、、「ありがとうございました」
だけは素直に、いろんな人に。
なんだか、岩井志麻子さんの
意外と素朴で、純で素敵なお人柄が
現れていて大好きになりました。
ちなみに、なぜポリスボーイなのかというと、
どこの町や村にいる自転車に乗った
お巡りさんが大好きだから、なんだそう。
やっぱり個性的で面白い方ですね🥰
この小説を読むと、不思議と
この曲を思い出します。
エリックサティ作曲
「3つのジムノペディ第1番」
↓
(こちらをクリック)
真夏に潜む静けさと涼しさ。
自分だけが別世界にいるような不思議な感覚。
私にとっては
この季節にこそ効きたい1曲です。
最後までお読みくださり
ありがとうございました。
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